[意匠]2022年公報から「新規性喪失の例外」ランキング

2022年の新規性喪失の例外(意匠)

昨年は海外大手が強かったのですが、今年は国内勢が強い。

インターネット利用による公報発行サイトより2022年に公開された案件を出願人・代理人別にランキングして報告します。昨年のランキングは以下のリンクから参照ください。

新規性喪失の例外(新喪例)

意匠登録出願より前に公開された意匠は原則として意匠登録を受けることはできません。しかし、意匠は人の目に触れればすぐに模倣される可能性があり権利者の意に反して出願前に公知になる機会が多かったり、意匠は販売、展示、見本の頒布等により売行きを打診してみて初めて一般の需要に適合するかどうかの判定が可能である場合が多いため、展示会、刊行物、ウェブサイトへの発表等によって自らの意匠を公開した後に、その意匠について意匠登録出願をしても一切意匠登録を受けることができないとすることは、創作者にとって酷な場合もあり、ま産業の発達への寄与という意匠法の趣旨にもそぐいません。

そこで、意匠法では、特定の条件の下で意匠を公開した後に意匠登録出願した場合には、先の公開によってその意匠の新規性が喪失しないものとして取り扱う規定、すなわち意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条)が設けられています。

意匠公報の新喪例適用ランキング(出願人編)

1位になった「株式会社イレブンインターナショナル」は、自動車の運転席用のフロアマットに関して意匠をたくさん出願している出願人のようです。公開数68件のうち57件に新喪例を適用しています。2021年は、公開数が10件で同率27位だったので、大幅な飛躍です。「公開してから出願する」という方針に転換したのでしょうか。2位の「コクヨ株式会社」とかなりの差をつけております。2位の「コクヨ株式会社」や3位タイの「東芝テック株式会社」は、意匠の出願数も多く今回登録公報に載った数も多いため、新喪例の割合はそれほど多くはありません。同じく3位タイの「アキレス株式会社」は、あの「俊足」の会社で、44件中31件に新喪例を適用しています。

昨年2位の「ツイッター インコーポレイテッド」や4位の「グーグル エルエルシー」は順位を落としています。

順位出願人公開数
1株式会社イレブンインターナショナル57
2コクヨ株式会社35
3東芝テック株式会社31
3アキレス株式会社31
5株式会社大林組29
6ソニーグループ株式会社26
7株式会社イトーキ23
7愛知株式会社23
7ツイッター インコーポレイテッド23
10三菱電機株式会社20
10理研軽金属工業株式会社20
12株式会社熊谷組18
12株式会社バスクリン18
12積水ハウス株式会社18
15リスパック株式会社17
16株式会社三宅デザイン事務所15
16YKK AP株式会社15
18株式会社ニトリホールディングス14
18積水樹脂株式会社14
20Valentino S.p.A13
20凸版印刷株式会社13
20株式会社アールシーコア13
23Bugatti International S.A.12
23神保電器株式会社12
23株式会社シンクコンサルティング12
26株式会社カインズ11
26スリーアップ株式会社11
26旭化成ホームズ株式会社11
26三菱ロジスネクスト株式会社11
30株式会社ウッドワン10
30Fidlock GmbH10
30旭化成建材株式会社10
30株式会社ドウシシャ10
34河淳株式会社9
34ナイキ イノベイト シーブイ9
36シュピゲン コリア カンパニー リミテッド8
36コネクテッドロボティクス株式会社8
36株式会社アシックス8
36株式会社日本設計8
36株式会社スギノマシン8
36マツ六株式会社8
36株式会社 デュオ8
36永大産業株式会社8
36日本精工株式会社8
36株式会社オカムラ8
36HARMONIC DRIVE SYSTEMS INC.8
36パナソニックIPマネジメント株式会社8
48CHRISTIAN DIOR COUTURE7
48株式会社 資生堂7
48フリュー株式会社7
48PayPay株式会社7
48アイリスチトセ株式会社7
48株式会社グッドライフ7
48株式会社プロロジス7
55前田建設工業株式会社6
55ジェントス株式会社6
55ミサワホーム株式会社6
55株式会社サンライズコーポレーション6
55株式会社ブックジャケット6
55株式会社ワコール6
55ルイ ヴィトン マルチェ6
55株式会社ホクエイ6
55高橋 俊行6
55グーグル エルエルシー6
55株式会社ベツダイ6
55ミネベアミツミ株式会社6
55Valentino S.p.A.6
55日揮株式会社6
新喪例適用ランキング(出願人編)

新規性喪失の例外を申請しているランキング(代理人編)

特許の新喪例ランキングにおいて代理人編は、大手特許事務所が上位に来ていましたが、意匠に関しては、少し違っていました。大手には違いないのでしょうが、「志賀」や「酒井」、「伊東国際」を抑えて、「TMI総合法律事務所」が1位となりました。

順位事務所公開数
1代理人なし418
2TMI総合法律事務所64
3弁理士法人藤本パートナーズ63
4永田特許事務所61
5弁理士法人オンダ国際特許事務所48
6弁理士法人志賀国際特許事務所39
7杉村萬国特許法律事務所37
8しろくま特許事務所34
9創英国際特許法律事務所32
10弁理士法人オンダ国際特許事務所東京オフィス28
11東芝テック株式会社知的財産室27
12伊東国際特許事務所26
13深見特許事務所24
14弁理士法人酒井国際特許事務所23
15宮園国際特許事務所21
16みなとみらい特許事務所21
17レクシア特許法律事務所19
17鈴木正次特許事務所19
19弁理士法人みのり特許事務所18
20笹野国際特許事務所17
20三菱電機株式会社知的財産センター17
22弁理士法人はなぶさ特許商標事務所16
23ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所15
23名古屋国際弁理士法人15
25TRY国際弁理士法人14
25弁理士法人ユニアス国際特許事務所14
25弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所14
28三協国際特許事務所13
28弁理士法人あーく事務所13
28弁理士法人浅村特許事務所13
28弁理士法人三枝国際特許事務所13
32明坂特許事務所12
32國分特許事務所12
32原田雅章知財事務所12
32弁理士法人鈴榮特許綜合事務所12
36中村合同特許法律事務所11
36椿特許事務所11
38野田・杉本特許事務所10
38近藤特許事務所10
38のぞみ特許事務所10
38東山特許事務所10
38弁理士法人HARAKENZOWORLDPATENT&TRADEMARK10
38弁理士法人秀和特許事務所10
38光陽国際特許法律事務所10
38CIC国際特許事務所10
46青山特許事務所9
46弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所9
46協和特許法律事務所9
46弁護士法人山本特許法律事務所9
46青和特許法律事務所9
46弁理士法人あしたば国際特許事務所9
46尾崎特許事務所9
53弁理士法人RYUKA国際特許事務所8
53日高国際特許事務所8
53所属なし8
53パナソニックIPマネジメント株式会社知財管理部8
53あいぎ特許事務所8
53羽切特許事務所8
53森本聡特許事務所8
53横沢国際特許商標事務所8
61しながわ特許意匠商標事務所山梨オフィス7
61佐川慎悟国際特許事務所7
61杉本特許事務所7
61山田法律特許事務所7
61弁理士法人iRify国際特許事務所7
61瀧野国際特許事務所7
67弁理士法人磯野国際特許商標事務所6
67弁理士法人エビス国際特許事務所6
67弁理士法人栄光事務所6
67オレンジ国際特許事務所6
67葛西特許事務所6
67鎌田特許事務所6
67長谷川内外特許事務所6
67弁理士法人中川国際特許事務所6
67弁理士法人東京アルパ特許事務所6
67中尾真一特許事務所6
67松岡特許事務所6
67南青山国際特許事務所6
新喪例適用ランキング(代理人編)

まとめ

昨年もやった集計で、差が出ていたので、面白かったです。分析はできないのですが、単純に楽しめました。また来年も続けたいと思います。

本件は、自動プログラムで算出したデータを基に出力しております。気になる点などないか目を通してから投稿しておりますが、気になる点などありましたら、コメントいただければと思っております。みなさんに少しでも興味を持っていただければ幸いです。

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