ドラマ「それってパクリじゃないですか?」第6話~ヤバイで特許出願~(ネタバレあり)~産学新喪例データ付

第6話

大学と企業の産学共同研究をメインに官能評価も織り交ぜての特許出願。恋愛の勘違いも少し含む。2022年大学と企業の新喪例公開案件は258件。

水10のドラマ(日テレ)

先週に引き続き、日テレのドラマ「それってパクリじゃないですか?」を見ました。第6話です。前回の感想は、以下のURLで記載しました。もし興味あればご覧ください。

ドラマ「それってパクリじゃないですか?」第5話

第6話「ヤバイで特許出願」

第6話のタイトルは、「ヤバイで特許出願」です。主人公亜季属する会社「月夜野ドリンク」と大学との共同研究に関する発明に関して、利権に関して会社及び大学が対立してしまいます。学会発表したい学生と、特許出願したい会社とで相いれない。学会発表すると「新規性を喪失してしまう可能性がある」、かと言って特許を出願できるほど発明が具現化されていない。

学会にどうしても発表したい学生の心情を知った亜季は、今のままで特許出願できないか模索します。悩みに悩んで最終的に上司の弁理士北脇が特許を取る「官能評価」に可能性を見出します。発明の曖昧さを官能評価という手法を使って、特許出願するところまでもっていき、学生はめでたく学会発表できるというストーリーでした。

あと一つ特許出願以外では、亜季と北脇がそれぞれ好きな人がいるのではないかと勝手に想像してしまうという展開がありました。亜季は、北脇が親友のゆみのことを好きなのではないかと思っていました。ただ、最後に、北脇が好きなのは、ゆみではなく、ゆみの飼っている猫のリリイだと知るという小ボケの落ちで終わりました。

https://www.ntv.co.jp/sorepaku/story/06.html

感想

今回は、産学合同研究で、その利権にまつわる話でした。うちの事務所も良く取り扱う共願案件です。学会発表したい大学vs特許で権利化したい会社の対立構造です。通常、「新規性喪失の例外」(新喪例)を使って解消するのでしょうが、今回の話は、悪意ある第三者が特許出願した場合特許が取れなくなるかもしれないから…と少し言い訳を入れて、新喪例は使わないという流れでした。一般の方に『新喪例はあまり使えないんだ』と勘違いされると困ると思いましたが、特許で話題性を作るには仕方がない話の流れでしょう。少しとはいえ新喪例の説明は入れたのだからここがドラマ化する限界かと思いました。

さらに今回は、「官能評価」を用いて特許出願するという展開になりました。その中で数回弁理士の北脇は「好きではない」ということを描いていたような気がします。「官能評価」が好きではないといのは、北脇を通して知財業界が「官能評価」をあまりよしとはしていないということを暗にほのめかしているのかとほくそ笑んでしまいました。ドラマを面白くするためにこのような展開も許容したという感じでしょうか。

今回もいろいろニヤニヤしながら見ることができました。いつも通り、映像はきれいですし、ときおり入れるコメディタッチな部分も面白く、良いドラマだと思います。主人公亜季と、上司北脇が恋愛関係になっていくと、もっと万人受けすると思いますが、今のところそのような展開にはいっておりません。同じ曜日同じ時間の「わたしのお嫁くん」に負けない万人受けする方向も少し期待したいと思います。(一度落ちた視聴率はなかなか上がらないかな…)

新喪例の共願案件情報

特許出願ココの有するデータで2022年の新喪例を適用した共願案件を調べてみました。

共願案件案件数
全体544
「大学」がつく出願人を含む258
「学校」がつく出願人を含む17
2022年大学等の共願案件数

その他、「慶應義塾」と「大学」「学校」がつかないものも少し含まれていました。新喪例を適用した共願案件の半数が、大学との共同研究のもののようです。これが多いか少ないかは判断できませんが、半数は占めているようです。

閑話

前回の第5話は、特許庁が映像に映ったことを取り上げましたが、その特許庁のシーンの中で、実際の特許庁職員が出ていたという情報をもらいました。審査官の上司役が特許庁の広報の方だそうです。開始から37分あたりのところなので、TVerなどで見返してみてください(笑)

まとめ

ドラマ「それってパクリじゃないですか?」の第6話を見終わりました。亜季と北脇とが互いに相手には好きな人ができたと勘違いする話。今後のこの二人の展開も気になります。

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