【2026年10月】弁理士ナビが停止中 PHPの重大な脆弱性(PHP2shell)の影響か

📅 2026年10月30日 知財
弁理士ナビ停止とPHPの脆弱性(PHPロゴ入り)

弁理士や特許事務所を探すときに使われている、日本弁理士会の「弁理士ナビ」が、2026年10月下旬から利用できない状態になっています。

特許出願ココでも、事務所ごとの所属弁理士の情報は毎月弁理士ナビから取得しているため、今回の停止は他人事ではありません。現時点で分かっていることを整理しておきます。

何が起きているか

日本弁理士会は2026年10月26日、お知らせ「日本弁理士会ウェブサイト等の利用状況について」で、次のサイトやシステムが「メンテナンスを実施しており、ご利用いただくことができません」と案内しています。

  • 一般向け:弁理士ナビ、パテント目録検索システム(パテント誌)
  • 弁理士向け:会員専用電子フォーラム、求人システム、マッチングシステム

お知らせには、停止の理由や再開の見込みは書かれていません。10月30日の時点で弁理士ナビにアクセスすると、サーバーが一時的に利用できないことを示すエラー(HTTP 503)が返ってきます。

背景:PHPの重大な脆弱性(PHP2shell)

PHPは、Webサイトを作るときに広く使われているプログラミング言語です。2026年10月21日(日本時間では22日未明)、PHPの開発元は2件の重大な脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)を修正したバージョン(8.5.12、8.4.27、8.3.36、8.2.35)を公開しました(PHP公式のお知らせ)。

  • 深刻度はいずれもCVSS v4.0で9.2(Critical)です。
  • 悪用されると、ログインしていない第三者がサーバー上で任意のプログラムを実行できるおそれがあります(通称「PHP2shell」)。
  • PHPの開発元は、完全な回避策はなく、更新することが唯一の安全な対策だとしています。また、PHP 8.1以前は正式な更新版が提供されません。

国内でも、高市首相が対応を訴えたり、JPCERT/CC(注意喚起)とIPA(緊急対策情報)が10月22日に注意を呼びかけました。10月26日には、米国のCISAが実際に悪用された脆弱性のカタログ(KEV)に登録しています。IPAは、すぐに更新できない場合の選択肢として、外部からのアクセスの遮断やサービスの一時停止の検討も挙げています。

「特許出願ココ」は、8月までWordPress(Apache+PHP+MySQL)を使っていたのですが、8月から他のCMSに変えたので、今回の対応はスキップすることができました。少し安心していますが、対岸の火事と楽観できるものではありません。サーバーをあげている限り、更新等のメンテナンスが必要なのだと実感させられました。

多くのサイトがまだ再開できていない

この脆弱性への対応のため、国内では多くの企業や団体がサイトやサービスを一時的に止めまているようです。脆弱性管理サービス「yamory」を運営するアシュアードが、X(旧Twitter)上の停止・再開の告知を集計しています。

  • 10月23日14時時点:停止の告知が累計502件、そのうち約6割(285件)は再開の告知が確認できていない(アシュアードの発表)
  • 10月26日時点:停止が累計1090件に増え、そのうち約4割は再開が確認できていない(ABEMA TIMESの報道)

停止の件数は増え続けていますが、再開も少しずつ進んでいることが分かります。ただし、この集計はX上で告知された分だけを数えたもので、1つの告知に複数のサイトが含まれていても1件と数えています。X以外で再開を知らせた組織は「停止中」のまま残るため、アシュアード自身も「停止中の件数は実態よりも多く計上されている可能性があります」と注記しています。

再開に時間がかかっている理由として、古いバージョンのPHPを使っていて、すぐには更新できないケースがあることが指摘されています。

弁理士ナビとの関係

日本弁理士会は停止の原因を公表していません。ただ、次の点から、弁理士ナビの停止もPHPの脆弱性への対応である可能性が高いとみられます。

  • 弁理士ナビの検索ページのアドレスは「.php」で終わっており、PHPで作られていると考えられること
  • PHPの修正版の公開(10月21日)、国内の注意喚起(10月22日)、日本弁理士会のお知らせ(10月26日)と、時期が重なっていること

正式な発表があれば、この記事に追記します。

利用者と特許出願ココへの影響

弁理士ナビが使えない間は、弁理士や特許事務所を地域や専門分野から探すことができません。特許出願ココの弁理士数ランキングや、事務所別の公開件数ランキングも、事務所探しの参考に少しは使えるかもしれないのでご活用ください。

特許出願ココの事務所・弁理士のデータは、10月分は停止の前(10月8日〜9日)に取得を終えています。停止が長引いた場合、11月分の更新が遅れる可能性があります。

弁理士ナビにつながらなくなったのは、今回が初めてではありません。2022年4月にも一時的につながらなくなりました(弁理士ナビがつながらない→直ってる)。ただし、その際は今回のように停止期間が長くはなくすぐに直ったと記憶しています。

まとめ

弁理士ナビは、弁理士を探す一般の方にとっても、事務所の情報を集める私たちにとっても大切な情報源です。定点観測している特許出願ココとしても一刻も早く再開されるのを希望します。

出典(2026年10月30日に確認)

アイキャッチ画像のPHPロゴは Colin Viebrock 作で、CC BY-SA 4.0(PHP公式サイト)で公開されているものです。他の要素と組み合わせてアイキャッチ画像を作成しました。この画像は CC BY-SA 4.0 で提供します。

コメント (0件)

まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか?

このサイトはreCAPTCHAで保護されています。Googleのプライバシーポリシーと利用規約が適用されます。コメントは確認後に表示されます。