立体商標登録の商標法第3条第2項の適用を特許庁がわかりやすく表現すると「特例」?!
「たけのこの里」の立体商標登録
スマホのニュースの通知で、今日「「たけのこの里」の立体商標登録を特許庁が“特例”としてツイート…理由を明治と特許庁に聞いた」というタイトルがあがってきました。特許や商標等の情報はときどきスマホでも検索するので、推奨記事として出してきたものと思われます。その中で「特例」?!という言葉が特許庁らしくないと思って、ニュース記事を書いた人の解釈かと思い、記事を読んでみました。
ニュース記事を読んでみると、特許庁がツイートで「特例的に」認められたとの記載を出していることがわかりました。
#広報誌とっきょ
特許庁のツイートは、「#広報誌とっきょ」のハッシュタグがつけられたこのスレッドです。そしてそのスレッドの中で、広報誌「とっきょ」2021年11月22日発行の記事が引用されていました。記事は、弁護士法人 内田・鮫島法律事務所により書かれたものでした。
その記事に「特例的に」という言葉の由来があるのかと思い、記事を読んでみました。しかしその中では「特例的」という言葉は、でてきませんでした。記事の中では、以下の引用からもわかるように「例外」という言葉を使って、商標法第3条第2項の適用を説明していました。
通常、商品の形状自体は立体商標として登録できませんが、例外として、長年の使用により、その形状自体が他の商品と区別可能な場合は登録が認められます。
https://www.jpo.go.jp/news/koho/kohoshi/vol50/07_page1.html
「特例」と「例外」との違い
特許庁のツイート(#広報誌とっきょ)が用いた「特例」が気になり、「特例」と「例外」との違いをググってみました。すると「意味開設辞典」というページで以下のように説明されていました。
「特例」は、「例外」という例から外れたものを一度だけ許す行為になり、「例外」は許容できない問題として処理します。
「意味解説辞典」より
私の感覚では、商標法第3条第1項第3号~第5号に該当していても全国的な知名度があり、著名であれば「例外として」商標登録を受けることができると解釈すべきと思うので、内田・鮫島法律事務所の解説記事の方がしっくりきました。というか、特許庁のツイート(#広報誌とっきょ)は、「たけのこの里」の立体商標登録を「一度だけ許す行為」により登録を認めたと言っているようで、もう無効理由も上げてはいけないような感じがして違和感を覚えました。ちょっと行き過ぎだったのではないかと思います。
どうして、記事には「例外として」と書いてあるのに、「特例的に」と変えてしまったのだろうかと、クリスマスの日にふとそんなことを考えてしまいました。