[特実意商] 「特許業務法人」は「弁理士法人」に変わるの?
法改正
2021年3月2日に法改正に関するアナウンスがありました。その中に弁理士法にかかわる内容も含まれており、法人名称に関して議題になっていることを知りました。(参照: 法律案概要(参考資料)(PDF形式:476KB))
弁理士のための法人名称って、何なの?
弁理士以外に特許出願等を代行する弁理士業務をすることができる法人の名前のことだね。
今はそんな法人はないの?
今もあるよ。ただ、名称が「特許業務法人」というんだよ。
今もあるのにどうして名前を変える必要があるの?
「特許業務法人」という名前が弁理士のできる範囲の一部を示しているだけにすぎず、適切でない部分もあるから名前を変えるようにしたのさ。商標だけを扱っている事務所が「〇×特許業務法人」では、少し変だからね。
「特許業務法人」とは
平成12年の改正前は、弁理士業務を法人形態で行うことはできませんでした。しかし、弁理士の業務内容が、専門化、高度化、多様化している中で、継続的、総合的なサービスを提供するための経営体系を整えることができませんでした。そこで、平成12年に事務所を法人化して、その法人で代行業務を運用できるよう「特許業務法人」の法改正が行われました。
「特許業務法人」は、弁理士業務を行うことができる特別な法人なので、純粋な営利追及をするものではなく、弁理士と同様の規律を守る法人として特別に弁理士法で定義されたものです。
「弁理士法人」へ
それがなぜ「弁理士法人」に変わるかというと、弁理士業務を代行できる法人なのに、まるで「特許」を代行する事務所のように見えるからだと思います。たしかに商標を専門で扱う事務所があるのに「特許業務法人」では、ちょっとお客様(出願人)が混乱するかもしれません。「名は体を表す」と言いますが、「名」と「体」が合ってない感があります。
そこで、次の法改正で、弁理士業務を行う法人格の名称として「弁理士法人」に変えるようです。
「特許業務法人」は存続するの?
ここで特許出願ココとしての一番の問題は、今ある「特許業務法人」は存続するの? ということです。どこを探しても「特許業務法人」も共存して存続するということは、記載されていません。というか法律で「特許業務法人」がすべて「弁理士法人」に変更されたとなると、既存の特許業務法人は、いずれ改名しないといけなくなるのではないかということです。
特許事務所の名称を「弁理士ナビ」から取得している特許出願ココは、事務所の名称変更を手動で行っています。特許事務所から特許業務法人へ変わるときも所属弁理士の全員が一度に移るわけではなく、共存する場合があり、その整合作業はかなりの手間です。
今ある「特許業務法人」がすべて「弁理士法人」となったら、特許出願ココとしてはそれはもう大騒ぎです。(まぁそれも一興ですけど)
まとめ
話が最後は愚痴になってますが、弁理士と同等の業務を行う法人格の名称が「弁理士法人」となるのはしごく真っ当な気がします。今いる事務所も特許業務法人ですが、果たして変わってしまうのでしょうか。事務作業が増えないといいんですけどね。
法改正のアナウンスを見てちょっと気になってしまいました。