[特許] 2016年再公表特許の公開数

2016年再公表特許の公開数

再公表特許

前回、再公表特許の2016年における出願人ランキングをまとめたところなのですが、まとめるにあたって少し疑問が残りました。それは、公開されている数が少ないのではないかということです。日本国特許庁を受理官庁として出願されるPCT出願は、およそ4万件くらいあります。日本国特許庁を受理局として出願されたものがすべて日本国に移行されるというわけではありませんが、それでも半分以上の案件が日本国を指定していると思います。

それが去年(2016年)の再公表特許は、全件で10,496件だったのです。しかも、10月以降は、公開が止まってしまいました。「そんなことがあるのか?」と疑問に思い、私の集計プログラムのミスではないかと思うようになりました。

公開数の検証

そこで、項回数の検証を行うことにしました。まずは特許庁が統計を出しているはずだという記憶から特許庁のホームページを探しました。特許庁からは、毎年統計がだされており、2016年版もすでに発行されていました。「特許行政年次報告書2016年版」です。この「〈統計・資料編〉」の「主要統計」に出ていました。しかし… 2015年分まで。

再公表特許は、2011年10,285件、2012年 14,195件、2013年 17,932件、2014年 13,256件、2015年 18,486件と、徐々に伸びている値でした。2014年に落ち込んでいますが、1万件強というレベルではありません。ますますプログラムミスが脳裏をよぎりました。

J-PlatPatによる検索

2017年1月発行の2016年度の統計には、2016年のデータは載っていないことがわかったので、次は、J-PlatPatによる検索です。J-PlatPatは、ワン・ポータル・ドシエ検索や、外国公報DBなど機能を増しています。私も使いこなしきれていませんが、今回は、昔から存在する「特許・実用新案テキスト検索」を使います。まず、特許・実用新案のメニューから「特許・実用新案テキスト検索」を選択します。再公表特許の案件件数をカウントしたいので、[種別]を既定値のまま「公開特許公報 (特開・特表(A)、再公表(A1))」を選択状態にし、[検索項目]を「再公表発効日」とします。


[検索キーワード]に、2016年1月1日から2016年12月31日に発行された案件を探すためのキーワードとして「20160101:20161231」を入力します。「:」で区切ることにより期間を指定することができます。あとは、[キーワードで検索]をクリックします。

すると1,000件を超える結果となるので、検索結果としては、エラーとなりますが、そのエラーメッセージの中にヒット数を表示してくれます。今回の場合、10,496件が表示されます。つまり、2016年再公表特許は、10,496件となります。ちなみに2015年分を検索すると、18,486件と表示され、特許庁の統計データと同じ値を示します。

これで、2016年の再公表特許の公開数は、10,496件で正しかったことがわかりました。自分のプログラムは、正しく表示していたことを表し、特許庁は、再公表特許を2016年9月から2017年まで公表しなかったことになります(これもJ-PlatPatで検証済みです)。また、公開日ごとの案件数をはじき出すと、ちょうと百単位となっているところが多く、再公表特許の公開は、特許庁により調整されていることがわかりました。特許出願公報とは違い、出願日から1年6月で公開しなければならないというわけではないので、このようなことになっているのかもしれません。義務ではなく努力目標ですから。

まとめ

再公表特許の出願数の少なさから、再公表特許の不思議を少し垣間見ることができて面白い結果でした。いろいろ統計を取ってみると面白いことがわかるものですね。みなさまの参考にはならないかもしれませんが、くだらない知識が増えて楽しんでいただければ幸いです。

次ページに公開日ごとの案件数を記します。興味があればどうぞ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です