[意匠] 部分意匠とその出願人ランキング(2016年)
部分意匠とその出願人ランキング(2016年)
部分意匠の比率
2016年に発行された意匠公報のデータ取得ができましたので少し集計したいと思います。まずは部分意匠から。部分意匠の利用は、2016年では、9821件でした。全体の36.7%を占める数です。
2016年分 | 出願数 | 比率(%) |
---|---|---|
全体意匠 | 16907 | 63.3% |
部分意匠 | 9821 | 36.7% |
部分意匠の制度導入は、平成10年という約20年の歴史の制度ですが、なくてはならない意匠出願の方法になっていると思われます。
部分意匠とは
意匠法には、意匠の全体ではなくデザインの一部分を保護してもらうための部分意匠の制度があります(意匠法第2条第1項かっこ書き)。意匠法は、市場で流通する物を保護していますが、独立して取引の対象となり得ない物品の部分は保護対象としていませんでした。
しかし独創的で特徴ある部分を取り入れつつ意匠全体で侵害を避ける巧妙な模倣が増加し、十分にその投資を保護することができないものとなってきました。
そこで物品の部分に係る意匠も保護対象となるように改正されており、今では上述したような数の部分意匠が出願され、登録されています。
模倣品
模倣品と言うと、私の中ではボンダイブルーの初期iMacと、e-oneというPCの議論が思い起こされます。個人的な見解ですが、正にデザインの大半を取り入れつつ全体では違うものを作っていたのではないでしょうか。部分意匠の制度導入が平成10年ということは、ほぼiMacの模倣品問題が出た頃かと。そのときは、知財の業界にいなかったので、定かではないのですが、部分意匠の制度に大きな影響を与えた製品群だと思います。