新規性喪失の例外
新規性喪失例外とは
特許法及び実用新案法共に、自らの行為により公に知られてしまった場合に、その公知の事実を除外して例外扱いしてくれる法律があります(特許法第30条第2項及び実用新案法第11条第2項)。原則は、出願時に公知になっているものは、特許や実用新案登録がなされませんが、原則を貫くと発明者/考案者に酷であることから、例外扱いの法律です。ただし、長い期間例外扱いすると逆に発明者等以外の第三者に不利益になるため、公知になってから6ヶ月以内に出願して、例外にしてもしい旨を請求することを課しています(特許法第30条第4項)。
実用新案
実用新案登録は、放棄・取り下げ・拒絶されない場合、無審査で早期に登録される制度です(実用新案法第14条第2項)。目的は、ライフサイクルの短い技術について、早期に権利を発生させ、その技術を保護するためにあります。ライフサイクルの短い技術は、すぐに製品開発され、市場に出される可能性があるものです。なので、特許に比べて製品化されるのも早いのではないかと想定できます。
新規性喪失例外の割合
そして、2015年の登録実用新案の公報を調べたところ、全体のうち3%が新規性喪失例外を主張して出願されていることがわかりました。特許法が0.98%であることを考えると、3倍の割合で利用されています。この数がやはり、製品開発を即時実施している小発明を保護している実用新案であることを示しているものと考えます。
法域 | 申請数 | 出願数 | 割合(%) |
---|---|---|---|
実用新案 | 226 | 6655 | 3.39% |
特許 | 2217 | 224772 | 0.98% |
登録実用新案の公報と特許出願公開公報を調べてはじめてわかった内容です。