[日誌]インターネット出願ソフトの画像ファイルの取り扱い(サイズ・解像度編)~くせが強い~

サイズ編

bmp等画像ファイルの実際のサイズと、インターネット出願ソフトで出力するサイズとの違いを考察する。300dpiや400dpiでは扱えない範囲がある。

インターネット出願ソフトの画像ファイルに関する動作仕様

特許等の出願に使用されるインターネット出願ソフトは、特許庁から配布されております。その仕様は、特許庁で決められており、その仕様は公開されています。特許の明細書等につける図面などは、画像ファイルとして取り扱われ、その扱いも仕様として公開されています。以前にも記載しましたが、またその画像ファイルの取り扱いを以下に引用します。

画像ファイルの仕様~特許庁の電子出願ソフトサポートサイトより~

画像ファイルの仕様を見てわかることは、画像ファイルの種類が定められていることです。扱えるファイルの種類は、PNG, GIF, BMP, JPEG。JPEGは、法域によりグレースケール又はカラーの使い分けをします。その他PNG等は白黒2値のファイルです。そして、画像ファイルの種類の他にも、扱える画像解像度に関しても記載されています。「解像度」と記載してしまいましたが、特許庁の公表する上の表では、「画素密度、イメージの最大サイズ」という記載になっております。本来画像を表示するソフトウェアは、画像ファイルが持つ解像度情報を元に表示する大きさを調整します。以下のとあるファイルのプロパティを見ると、「解像度: 96DPI」「幅: 1339」(ドット)「高さ: 200」(ドット)となっています。従って、例えば以下の画像ファイルを表示するときは、1339ドット÷96 DPI(ドット/インチ)×25.4mm(1インチあたりのmm) ≒354mmで表示します。

画像ファイルの解像度

インターネット出願ソフトでの画像ファイルのくせ

しかしながらインターネット出願ソフトは、その表示方法にある種「くせ」というか変わった取り扱いをします。この画像ファイルが持つ「解像度」を利用するのではなく、画像ファイルのサイズによって、「解像度」を変えるというものです。特許や実用新案で使われる【図n】を例にとると以下のような使い分けがされています。

  • 1338×2007ドットより小さい画像は200dpi
  • 1338×2007ドットより大きく2007×3011ドットより小さい画像は300dpi
  • 2007×3011ドットより大きく2677×4015ドットより小さい画像は400dpi

縦横1338×2007ドットの画像ファイルであれば、200dpiで画面いっぱいである170x255mm(1338ドット÷200dpi×25.4mm≒170mm, 2007ドット÷200dpi×25.4mm≒255mm, )に表示します。縦横100×100ドットのファイルであれば、100ドット÷200dpi×25.4mm=12.7mmで12.7mmx12.7mmと同じ比率で画像ファイルを表示してくれます。

しかし、200dpiというのは、高精細なファクス程度の画質でとてもきれいだとは言えません。せっかくCADや画像編集ソフトできれいに描いた図面であっても、ファクスの高精細な画質程度に落としてしまうのは残念です。そこで、より高解像度な300dpiで先ほどの12.7mmx12.7mmの画像ファイルを表示させたいと考えます。

表示される実際のサイズから画像ファイルのドットサイズを換算します。12.7mm÷25.4mm×300dpi=150ドットとなり、150×150ドットとなります。

ただ、インターネット出願ソフトは、300dpiで12.7mmx12.7mmの実寸サイズの図面を表示したいと考えて逆算した150×150ドットを300dpiで表示することはできません。1338×2007ドットより小さいファイルは、200dpiで表示するというのが仕様だからなのです。この仕様がとても変わったインターネット出願ソフトの「くせ」なのです。

300dpiや400dpiでは扱えない範囲

このインターネット出願ソフトの「くせ」のせいで、高解像度の300dpiや400dpiでは表示できない実寸サイズが生じてしまいます。

解像度表示できない実寸サイズ
300dpi113mmx170mmより小さいサイズ
400dpi127.5mmx191.25mmより小さいサイズ
300dpiや400dpiで扱えない実寸サイズ

この300dpiや400dpiで扱えない実寸サイズがあるのに、それが明記されていないところが、図面の画像ファイルを扱う上で混乱を来す原因となります。

混乱する例

では、実際にこの画像ファイルの縦横サイズに基づいて解像度(200dpi, 300dpiか400dpi)を決めてしまう変わった仕様によりどのようなことが生じてしまうか例を見てみましょう。

横幅1ドットの差の画像

画像としては、1338x200ドットの画像(以下、画像1)と、横幅が1ドットだけ大きな1339x200ドットの画像(以下、画像2)とを準備しました。Windowsに付いてくる画像ソフト「ペイント」では、以下の図のようにほぼ見た目の大きさは変わりません。

画像1: 縦横1338×200
画像2: 縦横1339×200

この画像1及び画像2をそれぞれMicrosoft Wordで【図1】及び【図2】に挿入します。

Word文書で画像1及び画像2を挿入

この時点でも画像サイズの差はほとんどありません。

しかし、Word文書からHTMLに書き出して、画像ファイルは、画像1及び画像2をインターネット出願ソフトに参照させて読み込むと、以下のようなイメージに変わります。

インターネット出願ソフトでの表示

元々1ドット横に広かった画像2が、サイズ的には小さい画像2より小さく表示されるのです。ほぼ2/3に縮小されます。理由は上に書いてきたようにインターネット出願ソフトの少し変わった仕様(「くせ」)がこのような現象を生じさせます。

この仕様を理解して、画像を扱うしかありません。実寸サイズが小さい画像から大きな画像まで同じ高解像度で扱いたいと思う出願人は多いかと思いますが、いろいろ工夫して出さないといけないのが今のインターネット出願ソフトとなっております。

まとめ

今回は、インターネット出願ソフトの画像ファイルの取り扱いについて記載しました。インターネット出願ソフトは、画像ファイルの技術分野において通常の知識を有する者が思いもしない動作をしているように思われます。ただ、これがインターネット出願ソフトの動作仕様なのでこれに合わせてより高解像できれいな図面を提出できればと思っております。

少しでもみなさんのご興味が満たされれば幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。