[特・実] 出願図面

📅 Jan. 27, 2017 実用新案

特許出願・実用新案登録出願の図面について

[blogcard url="https://co2.ddns.net/work-blog/figs_auto_loader_2018-01-30/"] [blogcard url="https://co2.ddns.net/work-blog/figs_auto_loader_2018-01-31/"] [blogcard url="https://co2.ddns.net/work-blog/figs_auto_loader_2018-02-01/"] 今回は、特許出願(受理官庁を日本国特許庁とするPCT出願も含む)及び実用新案登録出願(以下、「特許出願等」)の図面について記載します。特許出願等の図面については、特許庁にその仕様及びインターネット出願ソフトを用いた申請方法(インターネット出願ソフト 操作マニュアル Ⅲ.書類作成編)が、丁寧に記載されています。詳しく知りたい方は、そちらを参照してもらうとして、今回は、個人のノウハウを書いていきます。特許出願等の図面のファイル形式として、特許庁は、PNG, GIF, BMP又はJPEGを許容しています。これらのファイル形式の長所・短所及び総合判断を下の表にまとめます。
ファイル形式 長所 短所 総合判断
 PNG, GIF
  • 画質劣化なし
  • 最初に2値化しないと出願ソフトで勝手に2値化する
◎共に透明や多値の設定を有しますが、出願時に2値化するので、出願前に2値化することをお薦めします。
BMP (モノクロ2値のみ)
  • 画質劣化なし
◎2値化しておけば、作成した図面ファイルのままで出願できます。
JPEG (JFIF 形式のみ)
  •  グレースケールでの出願が可能
  • 圧縮率が高い
  • WordのHTML書き出しに適している
  • 不可逆圧縮で画質が劣化
  • 線画にジャギーが出る
  • 国際出願の場合、国際公開がTIFF(白黒2値)で行われるため不鮮明になる
×写真等の全体に色彩が施されている画像に対しては、圧縮率が高く、見た目の画質も保持される。しかし、線画などの特許出願等には不向きです。

図面サイズ

以上のことから画質を優先して、ファイル形式は、BMP(白黒2値)か、PNG,GIF(白黒2値)のものを使うことを推奨します。PCT出願を考えている場合は、国際公開の折に勝手に白黒2値に変換されるので、JPEGでは、表示の劣化が更に激しくなります。ただ、国際公開の図面が汚いからといって権利範囲に影響してくるとは考えられませんが。 BMP等で図面を作成する場合、特許庁は、200dpi, 300dpi, 400dpi の解像度を許容しています。特許庁(正確にはインターネット出願ソフト)は、解像度をビットマップのサイズによって判断します。このビットマップサイズに応じて解像度がきまるのがインターネット出願ソフトのキーなんです。通常、解像度があり、解像度にあわせてビットマップ表示を行いますが、違うのです。特許庁の記載は、以下の通り。 200dpi 時・・・・・・1338x2007 ドット 300dpi 時・・・・・・2007x3011 ドット 400dpi 時・・・・・・2677x4015 ドット つまり、1338x2007の縦横1ドットでも超えるとその図面は、300dpiと認識し、2007x3011の縦横1ドットでも超えるとその図面は、400dpiと認識します。2677x4015の縦横1ドットでも超えるとその図面は、エラーとして読み込んでくれません。 そして、解像度は、インチ当たりのドット数ですから、解像度が高くなるほど図面の見た目は、小さくなります。したがって、横幅が1ドットしか違わない以下の図面でも、特許庁は、以下のように解像度を判断してしまいます。
  • 画像サイズ2007x3011ドットの図面は、印刷画面で17x25.5cm
  • 画像サイズ2007x3012ドットの図面は、印刷画面で12.8x19.1cm
厄介なのは、Wordは、特許庁のインターネット出願ソフトのように表示しないことです。上記の図に関しては、Wordに取り込んだときの見た目が、ほぼ同じ状態で表示されます。したがって、Wordでほとんど同じ大きさと思ってみていた2つの図面がインターネット出願ソフトで提出すると、大きさが異なってしまうという現象が生じてしまうのです。少し複雑になってきました。次は、Wordに関する課題を記載します。

Word文書の課題

ほとんどのみなさんが明細書を作成するとき、MicrosoftのWordをお使いになっていると思われます。このWordが2つの点で課題を抱えています。その課題は、①インターネット出願ソフトに読み込みができるHTMLファイルの書き出しと、②上記図面ファイルの表示方法です。

WordのHTMLファイルの書き出し

特許庁は、Wordで明細書を書くときには、HTMLに書き出して、それをインターネット出願ソフトに読み込ませることを手順書に記載しています。方法としては、[名前を付けて保存]を行い、[ファイルの種類]を[Webページ(フィルター後)(*.html; *.htm)]にするようにとインストラクションしています。更に、図面のファイルは、行内表示でなく、外部のBMPファイル(白黒2値)のものをリンクして、使うことを推奨しています。 というのも行内表示にした図面ファイルを別名保存で書き出すと、図面サイズが小さくなるという現象が生じるからです。Microsoftがなぜそのような仕様にしているのか不明ですが、貼り付けた図面をそのまま書き出さず、ファイルを小さくして書き出してしまいます。 下にその例を記載します。明細書の図面に図1.png~図5.pngを貼り付け、その明細書を別名保存でHTMLに書き出してみると、2000ドット近くあった横幅の図面が、630ドット程度の大きさになってしまいます。特許出願に関しては、MicrosoftのWordは、厳しいツールです。 ただし、これをカバーするツール等もあるので、編集として、Wordを使い、HTMLファイルに変換ツールとして、他のツールを使うことも可能です。その他、後述する方法で中の図面ファイルを取り込むことも可能です。

Wordの画像の表示

次にWordの画像表示です。Wordは、ある画像サイズまでは、解像度に合わせて表示しますが、特定のサイズを超えるとWord文書の幅いっぱいになるように自動縮小・拡大を行い表示します。Word文書を編集する方法としては、至極真っ当な方法なのですが、特許出願等の明細書となると、見えたものそのものの形で出願されることを期待してしまいます。この自動縮小・拡大が図面の大きさをばらばらにしてしまう一因です。上に書いたように、特許庁のインターネット出願との相性も問題ではありますが、Wordの画像表示自体にも多少の問題があります。

解決方法

この問題を解決する方法としては、今のところWord以外のソフトを使ってWord文書をHTMLに変換するしか方法がありません。特許庁も上記のようにWord単体での解決方法をあきらめているので、ソフトを使用するのがよいと思います。Googleで「特許出願 HTML変換」として、検索してみてください。いくつかの解法が示されると思います。

まとめ

強引にまとめると、特許出願等の図面は、すべての画像ファイルが同じ解像度になるように、そのドット数を考慮すること。Wordに貼り付けたときは、Wordの自動縮小・拡大が働かないように画像の大きさを図全体で調整すること。WordのHTML書き出しを利用せず、他のソフト等を使ってHTMLに書き出すこと。これらを守れば、安定した質の良い図面の明細書が出せると思います。  

余談: Wordファイル(拡張子docx)の構造

あと、余談になってしまいますが、図面を正しくWord文書から取り出す方法として、拡張子docでなくdocxのWord文書に関しては、ひとつ面白い方法があります。Word文書は、ご存知の方もいると思いますが、XMLで記載されており、添付イメージ等を含め、zipで圧縮されたファイル形式です。したがってdocxという拡張子をzipの拡張子に強制的に変更すると、Word文書のXMLやイメージを閲覧することができます。図面5枚を貼りこんだ明細書のWord文書をzipの拡張子に変更して展開したものを以下に示します。[word]フォルダの[media]の下に5枚の図面があることがわかります。 実際にファイルに展開(解凍)し、その画像の大きさを見てみると、Wordに貼り付けたままの大きさのファイルが保存されています。これをマクロ等を使って取り出すことは可能です。他のソフトを使わず、この実際のファイルを取り出し、HTMLにリンクすれば、出願用のHTMLファイルと図面ファイルとを取り出し可能だと思います。腕に自身のある方は、マクロを作ってみてはいかがでしょうか。 以上、余談が過ぎましたが、特許出願等の図面について、どのような大きさを選べばよいかの一考です。参考になれば幸いです。
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